Infinite Sky

□間章 金の名を持つ劍
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〜???〜

『ここは...?』

清夜が眼を開くと、そこは蒼の世界だった。

足元は自分の足を中心に水面のように波紋を浮かべている。

『ああ、ここか』

周りを見てここがどこか思いつく。

『居るんだろ...リヴ』

「はい、ここに」

声は背後から聞こえ、振り向くと2メートルほど先に片足を地につけ逆の足を立て、頭を俯かせている少女がいた。

その髪は長く腰まであり、蒼色をしていた。

そう、彼女は清夜が肌身離さず身に付けているISである。

彼女はゆっくりと顔をあげる。
その顔立ちははっきりし、かなり整っていた。

『ダメージレベルは?』

「レベルEですね」

『動かせるレベルじゃないな』

ISはダメージレベルというものがあり、進化を続けるISは大きなダメージを受けた状態で起動してしてしまうと、異常なエネルギー形成をしてしまい、通常動作に悪影響を及ぼしたりしてしまう。

ダメージレベルCを越えると、かなりの確率でそれを起こしてしまう。

つまり後遺症みたいなものである。

「いまの状態ではどうしようもありません。まつことしか...それより、マスターの身体の方が重症です。」

リヴは清夜を見据える。

その顔は憂いに満ちていた。

「普通の人であれば命を失ってもおかしくないほどのダメージでした。」


『だろうな、ダメージレベルEなんて聞いたことない』

清夜は苦笑しながら言う。

「笑い事ではありません」

リヴは冷たい声音で呟く。

しかし、それ以上は何も言わない。

わかっているのだ、ああしなければ助けられなかった。

『氷華は無事なんだろ?』

リヴはゆっくり頷く。

「けど貴方は...」

『俺も生きているんだ...ならいいだろ?』

リヴは首を激しく横に振る。

「貴方は!!...いえ、私は誰かを守れるほど強くはありません...」

『...』

このリヴの言葉には二つの意味があった。

一つは純粋に衝撃に弱いのだ。

清夜のISは装甲が少なく、されど武装は多い。

つまり、防御面を大きく削って攻撃と機動に特化しているのだ。

その為、先の正体不明のISが放ったビーム兵器は、一夏達のISならダメージレベルCで抑えられただろう。

しかし、清夜のISはその二段階も上のダメージを受けた。

それはあまりにもか弱過ぎる。

誰かの盾になれる性能ではないのだ。

そして、今回の件でリヴは自信を無くしたのだ。

リヴはこれまでの清夜のデータを元に清夜の為の性能に進化させてきた。

今の自分は確実に清夜の力を最大限に生かすことのできる性能だと自信を持っていたのだ。

あれだけ装甲を削ったのも清夜がダメージを防いで戦うより、攻撃を避け、自分の攻撃だけを当てて相手を倒す戦い方をしてきたからだ。

だから清夜を信じてここまで装甲を減らし機動と火力に特化した。

それが裏目に出たのだ。

本来なら清夜にも問題があり、そういう戦い方では限界があり、被弾することを考えない...当たらないのが当たり前という戦い方をしてきた


その戦い方を信頼し、リヴはその信頼を疑うことがなく、ただ自分がもっと清夜に適したISだったらこんなことは起きなかったと自分を責めるのだ。

『おまえが悪いわけじゃないだろ』

清夜はリヴが進化する過程でもっと装甲を増やすように促すこともできた。

それをしなかったのは清夜であり、自業自得とも言えるのだ。

そして、これまでの進化が清夜にとって適したISであり、リヴ以外では清夜の才能と成長に付いてこれなかったのも事実なのだ。

『リヴ...お前は俺だけのISで俺のためのISだ。そうだろ?』

「YES...My...Master」

リヴはこれだけは譲れないとでもいうように頷く。

『それでいい。』

清夜は淡く微笑んでゆっくりと眼を瞑る。
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