Infinite Sky

□三章 話せぬ過去はいつか...
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「どういう事か説明してもらうわよ、清夜」

ここは十六夜 清夜の部屋で、現在清夜は正座をさせられ、鈴とセシリアが仁王立ちになって清夜を睨んでいる。

『因みに聞くが、何を説明しればいいんだ?』

「決まっているじゃない!、氷華との関係と指輪の事と、っその...婚約のこととか。」

鈴が最初は勢いがよかく言ったのに、最後はボソボソ小さくなっていた。

因みに、氷華は、鈴とセシリアの後ろであわあわしている。

『ああ、その前に久し振りだな、鈴音。と言っても、一年ちょっとだな。』

そういって清夜は微笑む。

「なっ!、いっ、今ごろ遅いわよ!.....なんで会ったとき最初に...ボソボソ」

清夜の微笑みを見て赤くなりながらボソボソと一人の世界に入りかける。
すると、

「コホン、それでは清夜さん、説明して貰いましょうか。」

そういって、こんどはセシリアが問い詰める。

鈴も一人の世界から戻ってきたようで、また腕をくみ、仁王立ちで睨んでいる。

『分かった。氷華とは小学校の頃からの幼なじみだ。
小学校六年生の最後の辺りに氷華が親の都合で海外にいって、それ以来会ってなかったんだ。』

「なるほど、つまり、幼なじみというわけですね。それで、あなたは?」

セシリアは鈴をみる。

「私は中国代表の凰鈴音(ファン・リンイン)。清夜とは中学校1、2年の時に一緒だったの。」

鈴はセシリアに素っ気なく答えると、清夜を見る。

「それで、あの指輪は?」

『ああ、あれは氷華のISだ。』

「氷華の?、なんであんたが持っているわけ?」

『俺が作ったからだ。氷華と別れるときに約束したんだ。次に会うときISをプレゼントするって。』

「何ですって!!、ISを作った!?、ISは篠ノ之束博士しか作れないはず!、それをなぜ?」

セシリアは一気に捲し立てる。
鈴も眉を八の字にしている。

すると、氷華は、顔を暗くする。

『...それは...。』

「こんな時間から何している、馬鹿者ども。」

セシリアと鈴がビクッとかたを跳ねさせて振り返ると、そこには千冬さんが立っていた。

鈴は、千冬さんを見ると、「うっ」と呻いて俺の後ろに隠れる。

一夏の話では、鈴は千冬さんが苦手なんだとか。

「こんな所で何をしている、オルコット。」

「は、はいっ、私は...」

「言い訳はいい、速く自分の部屋にもどれ。」

『(自分から聞いたのに言い訳はいいとは...さすが千冬さん)』

(マスターもあれほどクールだったらいいのに。)

『(リヴ、俺が千冬さんみたいになったら友達が少なくなる。)』

「おい、十六夜、今失礼なこと思っただろ。」

『いえいえ、まさか。(本当に人間か?、この人。)』

バシン!

「人間だ。」

千冬さんがどこから出したのか、
出席簿で俺の頭を叩く。

『スイマセン。』

「あの...。」

それを見ていた氷華が声をかける。

「ん?、お前は...ああ、転入生の四季崎 氷華か。」

「は、はいっ。宜しくお願い致します。」

「ほう、礼儀正しいな。良いことだ。どっかの誰かにも見習ってほしいな。」

そう言って、千冬さんはセシリアと鈴を見る。

セシリアは渇いた笑いを浮かべ、鈴は千冬さんと目があったとき、またビクッとかたを跳ねさせて、俺の背中に隠れる。

「それで、十六夜、四季崎がお前の言っていた幼馴染みなのか?。」

「ええ、そうです。」


千冬さんは、そうかと言って氷華を見る。

「お前の部屋は十六夜と同じ部屋だ。いいな。」

「え?、あっ、はい!」

氷華は笑顔で頷く。

「ほら、行くぞ馬鹿者ども。」

「わっ!」

「きゃっ!」

千冬さんが、鈴とセシリアの首根っこを掴みあげ、引きずって出ていく。

「明日覚えておきなさい!、清夜!!」

そう言い残して二人は出ていった。
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