Infinite Sky

□二章 再開と約束
1ページ/7ページ


『どうだ?リヴ。』

ある部屋の一室。
清夜の部屋だった。

(問題ありません、マスター)

セシリアとの試合が終ったその夜、清夜は自分のISの整備をしていた。

『そうか、良かった。』

そう言って、整備の為に出していたコンソールをしまい、椅子から立ち上がる。
自分の待機状態でネックレスになっているIS、リヴを首にかけ、部屋のベランダに出る。

(寒くないですか?マスター)

『あぁ...大丈夫だ。』

リヴの問いに力なく返す。
それから二人は無言になる。
時間は午前2時を回っていた。

学園の皆が寝静まる頃、清夜は起きていた。
清夜はずっと外の風景を眺めている。

どれだけ時間がたっただろうか。
不意にリヴが告げる。

(時間です、マスター)

『分かった』

そう言ってベットへ向かう。
時間は3時前だった。

『6時なったら起こしてくれ。』

清夜はリヴに言う。

(分かりました。今日は一夏さんとの試合です。少しでも身体を休めてください。)

清夜の声は力がなく、リヴも、朝昼のようなからかうこともない。
清夜の夜はいつもこの調子である。

決まった時間にしか眠れない。
他の時間に眠ろうとすれば、すぐに悪夢をみて起きてしまう。

過去の夢を見るだけで悪夢になる。
とても辛く、忘れることのない過去。

だから今は、一時の安らぎに身を委ねる。

過ぎし辛い過去を振り返らぬ為に。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ