だん☆なう!〜男子高校生の生活2年生編〜:LS

□Doesn't someone know him?【1】
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★゜。・゜☆哉時side☆゜・。゜★




「甘野ミオ君が、昨日で転校になりました。」


ザワつく教室の中とは対照的に、俺の思考は酷く静かだった。
いや、というよりも思考が事態に追いついていなかった。
ミオが転校?どういうことだ
ミオとはいつも一緒にいて、昨日だって一緒に帰っていて。
まだ鮮明な記憶をたどっていく。
「家の事情で、急遽フランスに・・
クラリ・・あぁ、目眩がする。フランスなんてどうやったて会いにいけないじゃないか。


「哉時」
ホームルームが終わり、綾が俺に声をかけて来た。
「いきなりビビったよな、ミオが転校なんてさ。」
あぁ、まったくだ。
思ったが口にはださずにただ押し黙ってうつむいた。
「まぁ、ミオん家にも色々あったんちゃう?しゃーないわな。」
コウがへらっと笑って言ってきた。
コウの隣では椎が泣いていた。
「椎泣くな〜!」
言いながらこうが椎のホッペをムニッと掴む
「っせぇえ!泣いて・・ねぇ・・・お前は悲しくないのかよ!!」
椎の言葉にコウが
「悲しくないわけやないけど、なにも死んだ訳とちゃうんやで?気合がありゃ会える!」
というと、すかさず綾が
「縁起でもねぇこと言うな!」
と突っ込んでパコっとコウの頭を叩いた。
「あたっ」
コウは叩かれた頭をさすりながら笑っている
こんな時でもコイツは笑ってられるんだな・・
なんとなく無性に腹がたった。

ガタッ

俺が立ち上がると綾が
「どうした?」
と聞いてきたが、俺は
「ぃゃ・・。」
と自分でも聞こえるか聞こえないか位の声でボソリとつぶやくと、
早足にその場を後にした。
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