SHINee of STORY
□your pace
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「いい加減にして下さい!警察呼びますよ?」
午後からのレッスンを前に、買い物に出掛けた先で女の子の張り上げた声が聞こえてきた。
声のした方を見ると18、19歳位の女の子といかにも怪しい男がいた。
周りに人は見当たらない。
助けるべきか、巻き込まれないようにやり過ごすか悩んでしまう。
「だから俺、全然怪しい者じゃないってば。SMエンターテイメントって知ってるでしょ?そこに入れるんだよ?」
思いもよらない言葉に少し驚く。
SMエンターテイメントって僕の事務所じゃん。
「興味ないって言ってるじゃないですか!」
「何で?東方神起や少女時代、SHINeeとかと友達になれるんだよ?」
とうとう僕のグループ名まで出てきた。
「だから、本当に‥‥
「俺の妹に何か用?」
しつこく迫っていた男性に話しかける。
僕たちの事務所の名前やグループ名が出てきたらほっとくわけにはいかない。
「へ?あ、あ‥もしかして‥。す、すいませんでした!」
僕に気付いたのか、男性は走り去って行ってしまった。
気付かれたくないから、妹って言ったのに無駄だったようだ。