BEAST of short STORY
□スーパーヒーロー
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ドゥジュンside
ジャンケンで負けた俺は、6人分のアイスを買って宿舎に帰る途中だ。
時刻は11時を回っているためか、路地裏を歩いてるこの場所はすごく静かだ。
「やっ、やめてよ。誰か‥助けて‥。」
ん?
今助けてって聞こえなかったか?
僅かに聞こえた声の方向に行ってみる。
そこには、男の人と女の人の姿があった。
「おいっ!何してんだよっっ!!」
「うわっやべっ。」
俺の声に気付いた男はあっという間に逃げてしまった。
女の人は、その場にうずくまっている。
「あの、大丈夫ですか?」
「‥‥‥‥。」
相当怖かったらしく、返事がない。
大丈夫か?
こういう時はどうするんだ?
救急車?いや、警察か?
とりあえず、はだけてしまっている上半身に俺の着ていた上着をかける。