長編

□04
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「んー」

「ね、姉ちゃんはこういう作文書いたの?」


腕を組んで悩んでいると翔にそんなことを聞かれた。


「うん、書いたよ?」

「な、なんて書いたの!!」

「えーっと、確か私が翔と同じくらいの時かな。まだ2人共居たけど、兄さんに感謝の作文書いたかな」


私は押入れの中に入り奥に進みとあるものを探しながら翔にそう言った。

「え、なんでそこで兄ちゃんに?」

「うーん。あの頃お母さんとお父さんは家に帰って来ない時が多くてさ、あんまり2人の事知らなかった、ってのもあるけど」

「あるけど?」

「何よりも子供を放ったらかしにしておく親に感謝なんかしたくないなぁってね、あ、あったあった」


私は見つけたかったものを見つけると押入れから出て、それを翔に渡した。


「私が書いた作文見てみる?」

「うん」


しばらくして作文を読み終えた翔は作文を置いた。


「どうだった?」

「う、うん....字が汚くて読み辛かったけどでも、なんか良かった」

「字が汚いって部分は言わなくて良かったかもね。
まあ、無理に親に書かなくても良いんだらかね?」

「でもみんなに変って思われないかな?」

「思われないよ。ま、翔が書きたいなら書けばいいと思うよ!
それじゃちょっとお買い物行ってくるから、ちゃんと留守番してなさいよね!」

「あ、うん。いってらっしゃい」


私は翔の頭をわしゃわしゃと撫でてから家を出た。


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