長編

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とりあえず私達は牙琉さんとお話をするべく近くの公園に移動した。
ベンチに座ると牙琉さんだとわかったお母様方がざわめき始めた。


「...それで、どうして牙琉さんがこんなところに?」


ブランコに乗って遊んでいる弟を見ながらそう尋ねると、牙琉さんは頭を抱えてしばらくしてからまたしてもキラキラと光る粒子をばら撒き始めた。


「実は次の曲のアイデアがね」


はぁ...と素敵な溜息を吐くと、公園に居たお母様方がキャーキャーと騒ぎ始めた。
その中に私を鋭い視線で見る人も多々いた。
グサグサと刺さる、痛いなぁ。


「なにかないかな、アイデア」

「わ、私に聞かれても困るんですが」


正直、本当にガリューウエーブの事はあんまり知らなくてそんな質問をされても困ってしまう。
唯一なんかそんな名前の人達が居るんだなぁ、と言う事ぐらいで。


「姉ちゃん、お腹空いたー」


さっきまでブランコに乗って遊んでいた翔が私のところまで来てそう言ってきた。


「そっか、もうこんな時間だもんね」


公園にあった時計を見ると時刻は17時40分をさしていた。
今日の夜ご飯は何にしようかな、と呟いていたら牙琉さんがいきなり立ち上がった。


「? くねくねさんどうしたんですか?」

「良い事を思いついたんだよ!」


牙琉さんは私のこめかみをグリグリしながら爽やかなスマイルでそう言った。


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