小説3

□二人だけの結婚式
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二人だけの結婚式を
    天国であげよ。


***


二人でいろんな事したね。いろんな所に行ったね。
何したっけ?どこにいったっけ?
料理したり、ハンバーガーショップにいったりしたじゃないか。
そうだったそうだった。料理は失敗したな。
うん。まずかった。
は、はっきりいうなよなぁばかぁ!

そんな多愛もない事を話しながら、二人はお互いの指を絡めて幸せに続くトビラを開けた。光が二人を出迎えて、風が拍手をうった。バージンロードの周りにはだれもいない。あるのは花嫁だけだ。
「おめでとう」
花婿は笑顔で手を取って花嫁とバージンロードを歩く。その先にあるのは天国で、二人はそこで一つになり、もう絶対離れはしないだろう。
「汝、この者を一生愛すると誓うか?」
天使が二人に誓いの言葉をかけて二人は静かに頷いた。
天使は二人の答えに満足そうに微笑んで、それでは、指輪の交換を、と促した。
花婿はシロツメ草の指輪を花嫁の指にそっとはめる。
それは花嫁にとって、どんなものよりも思い物だろう。
「さぁ」
誓いのキスを。天使はもういない。
二人はキスをしながら最後の一歩を踏み出した。躯がふわりと浮き上がる。
   さぁ、天国へ。


***


「ヴェードイツドイツー!!」
「ん?どうしたイタリア」
「アメリカとイギリスがーー」
「ーーーは?」
校舎から飛び降りて心中したんだって。



(ふたりだけの**)
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