DreAm

□遠回りな告白
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「……ねえ、もう一回言ってくれる?」


「あー、もう、うっとうしいな馬鹿女」



憎まれ口を叩かないと喋れないのかな。


腕組みをして、イライラした表情で牛頭丸は溜息をついた。



「だから、俺を好きんなれって言ってんの」


「…はぁ?」



意味が分からなくて思わず耳を疑ってしまったけど、どうやら聞き間違いじゃないみたいだ。


それにしても、


「どんだけ横暴な命令よ」


「上司の命令は絶対だろーが」


「…うわ、さいてーだ」



今までも随分めちゃくちゃな命令されてきたけど、今日のは格別というか。



「なんで私が牛頭丸を好きになんなきゃいけないの」


「……そりゃ」


「うん」


「俺だけがお前ん事好きなの不公平じゃねーかよ…」


「…………」



小さな声でぼそっと呟いて、牛頭丸は私に背を向けてしまった。



「…ねー、顔赤いよ」


「うるせー、お前もだろ」



回り込んで牛頭の顔を覗き見ようとすると、頭を叩かれた。



「痛いー」


「るせ、黙れバカ」


「…好きな癖にバカとか言うの」


「あー、いーからちょっと黙れ!」



照れるなら言わなきゃいいのに。
横暴でめちゃくちゃな癖に、恥ずかしがるから可愛く見えてしまう。



「ね、牛頭」


「…何だよ」


「私やっぱ命令聞かないよ」


「…………」



牛頭丸の着物の袖を掴んで、私もまた小さい声で呟いてみた。



「だって最初から好きだし」



牛頭丸の顔が、また赤くなった気がする。



End.



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久し振りに牛頭書いたらおかしくなったorz




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