その瞳に映るもの

□別れと始まりと出会いと
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とある街で
人々の声が響き渡る昼間



可愛らしく笑う子供

自慢し合う女性の声

バカ騒ぎをする男達

そして
食をそそるような匂いを漂わせ
それに誘われた人々にとどめの声を上げる
商人達の声












『今日は、どこにしようか』


少女はつぶやく



屋根の上から下を覗き商人達の行動を見る


すると1人の商人が店から離れるのを
見逃さずすぐ行動にでた



『今日はあそこだ♪パンか、″あの子も喜ぶ』



少女はそういうと 路地へ素早く降りた







コソコソと商人のいない店へ近付き
パンを2つ手にとり
商人の方をむいて いただきます
と一言つぶやいた





商人が戻ってきたのでいそいで路地の方へ走りだす


すると



商人「あ″ぁ!!?またおまえか!!!この糞ガキ!返せ!」

と怒鳴っていた



少女は見向きもせず
そのまま壁を登り 逃げた




商人は鬼のような形相で
あのガキおぼえてろ とつぶやいていた
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