みじかいの
□えんどうはひかげでもはじける
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よく漫画やドラマなんかで、幼なじみや兄妹がお互いに惹かれ合うなんてゆうのがあるが、実際それはありえないと思う
なぜなら、小さい頃から一緒だったり、一つ屋根の下で暮らしていると、お互い気を抜いた姿を見せるからだ
着飾ってない姿に惹かれることはまず少ないだろう
「ありのままの君が好きだよ」なんて言うキザな奴は、ただそう言ってみたかっただけに違いない
実際、俺は幼なじみにそうゆう感情を覚えた経験はない
隣にいるこの女は、幼小中高とずっと一緒にいるからか、お互いに気を許し、普通にパジャマでお互いの家を行き来する仲だ
こいつがキャミソールに短いパンツで隣に座っていても何も感じない
所詮幼なじみなんてそんなものなのだ
「ねーとーしろ、文化祭とーしろのクラス何やんの?」
「お化け屋敷」
「えっ、大丈夫なの」
「ななななにがだよ」
「めっちゃ動揺してんじゃん
せいぜい沖田君にからかわれないように気をつけなよー」
「うっせえ!そうゆうお前のクラスは何やんだよ」
「縁日。浴衣着るんだー」
「へー」
こんなたわいもない会話が俺達には心地いいんだ
何日かして、放課後クラスで文化祭の準備をしていた時だった
「ちょっとトイレ」
「行ってらっしゃーい」
廊下に出ると、隣のクラスがなんだか騒がしかった
あいつのクラスだ
浴衣の女子がちらほら見えるから、おそらく浴衣を着てみているんだろう
どれあいつの浴衣姿でも見てやろうと、俺は隣のクラスを覗き込んだ
「…あっ、とーしろ!」
「!」
えんどうはひかげでもはじける
(いつの間にかきれいになってたあいつの浴衣姿に俺は釘付けで、)
(俺の中で何か得体の知れないものがはじけた)
*豌豆は日陰でもはじける*
年ごろになれば、だれでも性に目覚め、色気づくということ。また、事が成るにはそれなりの時が必要であり、その時節がくれば、自然に成るものだということ
千里さん27272hitありがとうございました