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□忘れ草【壱】
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「うわぁ、今日は快晴ね!」
稽古着に着替えた薫が目に入る。
一度は失った彼女が今ここにいる。
「あ!剣心!」
剣心に気づいた薫はおはよう、と微笑む。
もし、また薫殿を失ったら…。
世界の色が戻ったのに、また消えてしまったら……、
今度こそ、守りきろう。
この笑顔をもう、失いたくない。
「剣心?けーんしん!」
「おろ?」
「おろ?っじゃなーい!おはよう!」
「すまぬでござる!薫殿!」
この様な穏やかな日々が続いてくれると思っていた――――。
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