short
□絡まる。
2ページ/3ページ
剣心がいつもの様に朝餉の用意をしていると、
「剣心〜……。」
困ったような声で薫が訴えかけてきた。
目を見開く剣心。
もしかして…、からかい過ぎたてしまったのか?
という考えが剣心の脳裏を過るが…、
「助けてぇ、剣心…。」
どうやら違ったようだ。
「どうしたでござる?薫殿。」
「どうしたも…何も…剣心、櫛で髪の毛をとかして?」
「薫殿の?」
「…うん。」
……。どうしてまた…。
「だって…、」
理由を聞いていないのに…、
「だって、リボンと髪の毛が絡まっちゃったんだもの…。」
ほら、と後ろ髪を見せる。
そのくるりと向きを変える姿がなんとも言えない。
ヤバい…泣かせたい。
その感情を押しこらえる剣心。
「一体どうしたらこうなったでござる?」
「御飯の匂いがしてきたから、慌ててリボンを結んだのよ…でも上手く結べなくて…焦って結び直したんだけど、また上手くいかなくて…その繰り返し…………そしたら、いつの間にか絡まっちゃった…。」
……。焦らなければいいのに。と言いたいところだが、少し酷い事になっているので、直すのを優先するのだった。
.