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□かすてぃら
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「何をしていたでごさるか?」
「え?別に何も……。」
「そうでごさるか……。では、このかすてぃらはお預けでござるな。」
ひょい。と薫からかすてぃらを奪う。
「えぇ?!」
何で?という顔をする。
こんな時でも、愛しいく思えてしまう、、重度でごさるな…。
「嘘をついたでござろう?」
「うっ。」
……純粋過ぎる。
これは拙者が言っているからなのか、それとも、かすてぃらが食べれないからなのか……。
どっちでござろう……。
(前者を即答できない三十路もどうかと思うが…。)
「…、」
「言わないとあげんよ?」
「……文を書いてたの。」
「文?……誰にでごさる?」
自分でもわかる。声がいつもより低くなったのが。
「そ、それは…、って!何をしていたかは答えたわ!別に誰にでもいいじゃない!早くかすてぃら食べたいわ。」
薫は剣心が手にしているかすてぃらに手を伸ばしてきた。
ひょい、ひょい。と軽々避ける剣心。
「何で避けるのよ!」
「その文の相手は男だろ。恋文の返事か?」
俺はそう言うと薫の欲しがっているかすてぃらを一口口にした。
「あーーー!!!ちょ、剣心!何食べてるの…っ…!?」
薫はそれ以上声を出せなかった。
「っん、あっ……。」
薫の口の中に甘い味が広がる。
「はっ、はっ、…剣心!!何するの!?」
「何って、口移しでごさるよ。薫殿があまりにもかすてぃらを欲しがっていたでごさるから。」
ニコニコと笑う剣心。
今は拙者の事で頭が一杯でごさろうな〜。他の男の事は思わなくていいのでござるよ…薫殿…。
いまだに先程の口付けでへなへなしている薫に言うのだった。
fin.
→あとがき(作者の感想なんかどうでもいいという方はback.)