short
□熱い。
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熱い。
「ケホン、ゴホッ…。」
「風邪でござるかなぁ…。」
1人咳が酷い薫。
今剣心が辛そうな薫を横にさせた所である。
「け…んし…ん。」
声は小さく、かすれ目はとろ〜んとした表情の薫。
「か、薫殿!………大丈夫でござるか?」
少しの間は、理性を耐える為の間。
ちょっとヤバイでござる…。
拙者耐えられるか?
こんなおいしい心境で何もできない剣心。
生殺しというべきなのだろうか。
「けんしん、」
「何でござるか?」
「て。」
「て?」
「手……かして…。」
息づかいが荒い中薫が言った言葉に従う剣心。
そっと手を差し出す。
「手がどうかしたでござるか?」
「ん。剣心の手、冷たくて、気持ちぃ……。」
薫はそう言いながら自分の額に剣心の手をのせた。
((薫殿…。少しは、危機感を持って欲しい。))
「薫殿、熱いでござるなぁ…やはり、熱があるのでは?氷を持ってくるゆえ、少し待っていてくれ。」
そう言って剣心が立とうとすると、
ぎゅっ…、
剣心の手を薫が掴んだ。とても弱々しい力で。
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