short
□おはよう
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「おはようでござる。薫殿。」
「お、おはよう。…って、えっ?」
何でいるの?
意味がわからなく、首をかしげる。
…寝惚けているのかな?
幻かもしれない。
私は自分の頬をつねった。
「ひ、ひたい……。」
「な、何してるでござるか、薫殿。」
「幻かと思って〜。」
「ぷっ、拙者をでござるか?」
「うん。」
こくんと頷く。
「挨拶までしたのに幻でごさるか。」
!そうか。確かに。でも……
「何で此処にいるの?」
「!薫殿。散歩に行こう?」
さんぽ?
「今日は天気がいいでござるから。」
「え、いや、あの…。」
「早く着替えるでござる。」
剣心は手にしている掛け布団をたたみ始める。
………ん?かけぶとん?
「あーーーーーーー!!」
「!な、何でござるかいきなり…。」
「どうも!こうも!!いつもと違って寒いと感じたのは……剣心が掛け布団を剥いだからね!?」
絶対そうだわ!
「おろ。揺すって起こすのはどうかと思って…、しかし薫殿。いつもと違って寒いのは拙者のせいだけではござらんよ?」
剣心はスッと立ち上がった。そしてそのまま私の手を引いて縁側に向かう。
「ほら。」
「うわー真っ白!剣心!!」
一面が雪。私は目をキラキラさせた。
「こんな中散歩行くの?」
「うん。温かい格好するでござるよ。」
「……。ちょっと剣心とじゃれたいかも…。」
凄く小声で言った言葉。
それは彼に聞こえたかわからないが……
「拙者もじゃれたいでござるよ。薫殿。」
何で聞こえてるのよーー!!
顔を赤く染めながらも急いで支度をする薫ちゃんなのでした。
fin.
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