*BL*

□あなたの狂気もね、
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「お前、男を抱ける?」



唐突な質問に俺は当たり前な顔をして答えた「アンタならね」と



正直に言えばかなり面食らっていて

それから一番最初に考えたのは勃つかな?なんてひどく現実的なこと

もしかしたらコレで相手は先生じゃなくてどっかのムサイおっさんとかで俺はまんまとハメられているのかもしれない、と何度か通った事のある道を先生の後に続き歩きながら

なるべく緊張しているのを悟られないようふてぶてしい態度と顔付きで考えていた



「どう?デキそう?」



ハッと熱い息を吐き出しながら見上げてきた瞳は戦闘中に何度も見た筈のそれだったんだけどまるで違う色にも見えるほどに俺の頭は弾けていたんだと思う


デキるかデキないかなんてたかがキスひとつでブッ飛んで今更やっぱ止め。なんて言われたらそりゃねーぜ!と叫んでしまいそうだった



「・・・あ、大丈夫そうだね」

「うお・・・!」



目を逸らさないままぎゅっと握りこまれ思わず上げた情けない声にふ、と目を細めるのを見たらもう。

ああ、堪んないってこういう事か、と赤く腫れた口唇へむしゃぶりついた



「・・・っと・・・もっと、」

「ん・・・ッ?」

「・・・酷く、・・・」

「ひどく・・・?」



背中に圧し掛かったまま小さな声を拾おうと顔を近付けたら押し広げた感覚と一緒に悲鳴みたいな声が聞こえた






可もなく不可もない、といった所だと思った。


いや、俺にとっては最高で最強の天国に一番近いセック スだった

可もなく不可もなくというのは、先生にとっての感想がそうであればいいなぁという事だ



不機嫌ではないのだけれど、終わった途端にシャワーを浴びると言い残して立ち去ってしまった先生の残り香のついた枕へ鼻先を思い切り埋めて

どっかのバカな犬みたいにくんかくんか鼻をひくつかせながら「イったんだから良かったはずだよな」だとか女じゃないから終わってからあれこれ機嫌取ったりしなくていいし、そもそも男同士だとあのイった後の何でもいいやっぽい気分を分かり合えるのは楽だなんて失礼なことを考えていた。



「あー・・・お前も入る?」

「・・・ウス。借ります」



いつの間にか背後に立っていた先生の声を後頭部で受け止めながら

やっべ・・・見られた・・・ってかちょう恥ずかしい・・・と顔を押し付けていた枕ごと立ち上がると

「それ持って入るの?」と笑い掛けの声が聞こえたからちょっと安心して振り返りながら枕を先生へ投げ付けた。



ちらっと見えた真っ白な脇腹に俺が吸い付いた跡が残っていて


ああ、やべぇ。先生を抱いちまった。とゆるゆるする頬を叩きながら風呂場へ向かった。
 
 
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