*BL*
□うたうたいうたわず
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「こないだの、任務・・・ど、うだった?」
「…ハァ…あッ…あ、あ…」
離された両腕が肌に浮いた汗で滑り、前のめりになった途端下からガンガン突き上げられる。
ガクガクと揺れる体を条件反射みたいに上からも打ちつけながら、ああそうか、そういう事か。と久々に泣きたくなった
内偵だと言われ赴いた先で、待ち構えていた男たち。
散々いたぶられたのに殺されもせずそのまま放り出され、痛む体を引き摺りなんとか任務をこなして里に戻り報告書に細かい状況を書き出しながら
「どうしてあいつらは俺を殺さなかったのだろう」と不思議に思った。
「報告書、読んだよ…酷い事、されたみたい、だね…」
「あ、あ…っせんせ…」
腰を掴んだ手が俺の性器を先生の腹に擦り付けるように前後へ動かす。
それだけの刺激で達してしまいそうになるのを堪えようと唇を噛むと、先生の上で横たわる体をぎゅうと抱き締められ片手で尻ごとぐいぐいと押し付けられた。
いけない、と思った時にはふたりの腹の間に温かいモノが迸ってしまっていた。
「…う、…」
「っあ…ッ…」
先生の手が押すよりも強く、自分から腰を摩り付けて足りない快感を追えば吐き出し切れていなかった白濁がもう一度肌の間へ流れ出した。
「あ〜。カカシと寝るの久し振りだな〜」
「……」
帰らなくていいんですか?と聞こうとして、聞いたらまた酷い任務が来る。と口を閉ざした。
この間の任務は先生からの「警告」だったのだ
あの任務の更に2日ほど前、理由など無かったのだけど受付の顔見知りに頼んで1日で終えられる任務を2日間に変えて貰った。
理由は本当になんでもなくて、ただ少しひとりで静かになりたいと思っただけ
そういう時は見透かしたように先生がうちに来るから来れば拒む事なんて出来ないし拒めないからまた馬鹿みたいに腰を振って
「この背中はもうすぐ結婚する奥さんのモノになるんだ」などと考えなくていい事を考えてしまうのがどうしても億劫だっただけ。
でもどうやって先生がそれを知ったのだろうか?と考えてまた、そりゃ任務内容見れば分かるか。と自己完結する。
こんな風に、どんどん無口になっていく事にくっ付けられる理由は山ほどあった
でもまたそれを考えると自分の中で疑問と答えの繰り返しになるだけなのだからなるべく考えなくて済むように抱かれている。
抱かれている時だけはそういう「見えない不安」みたいな物が薄れて、指の動きひとつだとか俺の動きを感じ取って細められる目がここにあるのだと信じられたから。