*BL*
□うたうたいうたわず
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それはまさに八方塞がりとしか言いようが無い関係だった。
先生は火影になって、結婚も決まっていたし、俺は使える忍としてそこら中の汚い任務を押し付けられては日が落ちると共に闇に紛れて人殺しを繰り返していた
もうやめたいなぁと思う度にあの人の優しい笑顔に絡め取られて、そうして絡め取られることにまた安心する自分がいて
どっからがまともでどっからがおかしいのかもよく判らないまま、時間が合えば会い、合わなければ淡々と仕事をこなして眠り、眠れない時はぼうっと黒い空を眺めていた。
どうすればいいのかなんて考え過ぎて馬鹿馬鹿しくなった
どうにもしようが無い事を考えるのが好きな奴なんてこの世にいるだろうか?
いるんだろうなぁ、きっと
先生は俺が会いたいと言うと必ず何か理由を作って断る。
その癖、俺が酷く疲れていてただ泥みたいに眠りたいと思っている夜は必ず音もなく現れて、まるで自分の部屋みたいな顔をして座り込んだまま「来ちゃった」と笑うのだった。
「カカシ、う、ごいて?」
「…う…」
胸に着いた両腕をしっかり握られたまま、促すように下から揺らされる
腕に体重を掛けて腰を浮かせ、当たると気持ちがいい方向の壁へぐいぐい擦り付けたら「上手くなったね」なんて聞いても嬉しくない言葉で褒められた。
そんなんじゃなくてもっと聞きたい言葉があるのに
聞かせてくれと強請る方法を知らなくて
自分の快感を追うよりも先生に快感を感じて貰えるように一心不乱に腰を動かした。