*BL*

□Straighten your Heart
2ページ/18ページ

 
 
「迷惑なのは百も承知さ。だがね、お前よもや忘れたとは言わせないよ?」

「……」

「いくつだったかねぇ…17?18?丁度、今のナルトくらいの年じゃなかったかい?」

「五代目…それは、その…」

「里の看板忍者がいなくなったって大騒ぎが何度も…」

「それは本当に申し訳なかったと思ってますよ!ですが…俺はもうそんなモノはとっくに」

「あー、あの頃は自来也が悪ガキの尻拭い係だったかねぇ〜」

「五代目!!」

「……」



へぇー?何かあんの?という顔でチラチラこちらを窺うナルトの気配に気付き、これ以上余分な事を知られて弱みを握った、などと思われたら堪らないと思わず口をついた言葉は完全に五代目の手の平の上



「分かりましたって!預かりますが、無期限は勘弁して下さい」

「ああ分かってるよ。そうだね…2週間。2週間コイツを躾直してみておくれ。それでも駄目だったら…」

「どうなんの?」

「…っ」



他人事な口調でヘラヘラ聞いたナルトに、特注火影椅子が飛んで来た



「うおおおお!っぶねぇぇっ!」

「お前はぁぁぁ!」

「ご、五代目!落ち着いて下さい!」

「問答無用!こんな馬鹿を上忍にした自分が情けないよっ!」

「カカシ先生ー!先生の家で待ってっからー!」

「え…?」

「おま…待てー!」

「大丈夫ですか…?なんだか凄い音が…うわ、五代目!落ち着いて下さいーっ」



轟音と不穏なチャクラに戦々恐々としながら入って来た特上が真っ青になりながらも一応止める仕草をして見せた

…が当然、手でも出したものならとんでもない巻き添えを食うと分かっているのだろう、ほんの少し手前で足踏みをしたまま、窓から飛び出したナルトの金髪と、それを追う様に飛んで行く置物やら文鎮を見送る事しか出来なかった



 



「……」



ホント、もうちょっと大人になって欲しいなぁ。



アカデミーを出て緩い坂道を意識的にのろのろと進みながら今までに降りかかった災難の歴史を振り返ってみた


近国の姫様絡み十数回。遊郭での一悶着これまた十数回。それからどっかの中忍の女を盗ったとか勝手に着いて来ただとかそんなものは数え切れない


その度に、ナルトを捕まえられないヘタレ忍の後任みたいな「捕獲任務」を火影直々に言い渡される。そうして俺が加わった事を知った途端にフラッと姿を現してはお小言やら減給を食らってる訳だ



「ったく、なんで何度も同じ事繰り返すんだか…」



上手くやんなさいよ。と言えば、分かってる迷惑掛けてごめんな。なんて素直に謝る所が憎み切れないから、またこうして後始末を押し付けられるんだ


アイツに甘いのは五代目も俺も同じ。どうしたって忍としては既に一流なのだし確かに男も女も放っておかない魅力が備わっているのも事実

ただそれのコントロール方法を知らず、纏わり付いてくる誘惑に打ち勝つにはまだ若過ぎる



「…酷だよなぁ」



ムンムンと色気を振り撒きながら「あんたを手に入れる」とあらゆる手段を用いて近付いて来る女達を遣り過ごせ、と言ってもそこは健康な男子

ついフラフラするのは仕方が無い事だろう
 
 
 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ