*BL*

□sugar sugar
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「へっへっへ」

「…聞きたくないけど…なに?」

「俺達ほんと恋人同士みたイッテェェェェ!」

「黙れ。お前からは見えないかもしれないけど俺からは後ろの人達が丸見えなんだ」


入り口へ背を向けている所為で物珍しげにこちらの様子を伺う女子高生や井戸端ってるオバチャン達の視線は全て俺に注がれている


その上最悪な事にコイツときたら無駄に声がデカいもんだから皆さん俺達が普通に男同士の友情で結ばれているなんて微塵も思っていないだろう

女子高生なんて顔を寄せ合って何やら囁き合っている


ギリリッとナルトの下唇をつねったまま、早くここを出たい…と目力を込めた



「分かったから離して!イタタタ」

「…早く食べろ」

「ほーい」



パラパラと残りの砂糖を片手で払い、ちょっと前のめりになりながら皿の上でドーナツをパクつく


グッと突き出た肩や丸まった背中越しにまた女子高生が何やら囁き合うのが見えた


「アイスティーおかわり!」とくぐもった声で店員に呼び掛けるナルトの顔を一目見てやろうと画策している雰囲気

お、あっちの子にはどうやら見えたらしい

ポッと頬を染めてから隣の子に素早く耳打ちをすると、その子も一生懸命にナルトの顔を覗き込もうとチラチラ視線をやっている



「あっまーーーい」

「…」



ズゴゴゴッと音を立てて飲み切ったアイスティーのグラスを店員に差出し、おかわりを受け取るとストローも差さずにガブ飲み

まあ豪快と言うか男らしいと言うか…



「せんせー食わないの?」

「…見てるだけで胸焼けしてきた」

「んじゃコレもっらいー」



オールドファッションな俺に似つかわしいオールドファッションなドーナツは、ぱくりとニューでエキセントリックな男に攫われてしまった


モグモグごっくんズゴゴゴゴが数回繰り返されてからやっと背凭れへ背中が付く



「あー。うまかったー」

「良かったねぇ」



綺麗に片付けられた皿の上には申し訳程度のチョコや砂糖しか残っていない


何にしてもこういうのは見てて気持ちがいいものだ



「アイスティもう一杯!」

「まったく…腹壊すよ?」



ニシッと笑うと「平気〜」と鼻歌みたいに言いながら店員へ空のグラスを差し出す

「あっ」と小さく聞こえた女子高生の声にナルトが振り返ると、女の子達はちょっとキラキラした目で応えた


そうだよなぁ、コイツ普通にしてれば多分もてるだろうなぁ。


なーんて客観的に見たナルトの外見を思い浮かべてみたけれど胸焼けが加速しそうになったのですぐに切り上げた

彼女達の視線と俺の顔を交互に見てからヒラヒラ手を振るナルト

 
 
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