*BL*
□咲け、わたしの中の花
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「最後の実習は、カカシ先生で提出しました」
「・・・そう」
たった数秒視線を交わしただけで、またその綺麗な目は無機質な紙へ落とされて
これが、わたしが手に入れられる精一杯の先生だった
咲け、
わたしの中の花
「今日受理されたよ」
「え?」
「こないだの実習のハナシ」
あ。と合点がいった顔をしたわたしに返事をする隙を与えず畳み掛けるように、しかしやはりあのゆっくりとした口調で続けた。
「いつがいい?」
「・・・先生は・・・」
「んー。そうだなぁ、今日は任務あるから・・・明日ならいいよ」
「じゃあ明日、お願いします」
「はいよ。じゃ、明日ね」
草むしり任務の約束と何も変わらぬ気安さで、わたしが先生に教わるのはきっとこれが最後になるであろう実習を語り、やはり何ひとつ変わらないように見える身のこなしで歩き去るカカシ先生
それは予想をしていてもやっぱり鼻を痛ませて ただひたすら歯を食いしばり走り帰らねばならない程の勢いでわたしを追い立てた
そうかと言って他の上忍師に頼む可能性などは心のどこを探してみても微塵も見当たらず、この恋がどうしたって叶わないことを知りながらそれならばせめてこの実習で以ってあの人をわたしに刻みつけようと思ったのだった