*BL*

□BLで20題
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『思ってたのにさ。逆にここにいないお前の事ばっかり思い出してる。

こんなガタイのいいオッサン掴まえて、まるで壊れ物みたいに触れてきた手とか

いつも背中に感じる真っ直ぐで綺麗な目とか。
あ、あと笑った顔ね。


俺、お前の笑った顔が好きだよ?


ま、こんな風になってからそんな事に気付くなんて馬鹿だよね』




馬鹿じゃねぇよ



『で、任務は滞りなく進んでるから』



・・・は?また話飛んでませんか・・・?つ、続きを聞かせろってば!!



『もしもだけどさ。もしも・・・お前がまだ俺の事をいいと思っててくれて・・・

こんな女々しくて未練たらしくていい年したオッサンだけど・・・それでもいいってまだ思ってくれてるなら』




・・・うん。



『あの言葉を取り消したいと思う』

『詳しい日にちは言えないけど、こっちの目途が立って来たから。木ノ葉に戻れるかもしれない』

『だから、お前が俺の言った事も全部許してくれるなら・・・会いに行きたい』

『いや・・・違うな。会いたいんだと思う』

『顔が見たいなーとか手が子供みたいに温かいとか、寝る時に涎垂らすところとか』

『そういうのばっかり思い出してお前の事ばかり思い出して』

『殴られたとこなんてとっくに痛くないのに痛ければいいのにって思うなんて・・・俺マゾ?』




・・・馬鹿だなーホント。先生ってば俺より馬鹿だってば。



『会いたいよ、ナルト。お前に』





せんせい、こんな手紙じゃなくてさ、俺に直接言えってばよ。



馬鹿。なんで言える時に言っとかねぇの?

先生の手紙はきっとレア中のレアモノで

きっとこんな手紙を先生から貰えるのは世界中で俺だけじゃないかと思うくらいに貴重なんだって分かってるけどそれでも



あの声で聞きたかったなぁ


あの優しい澄んだ声で。




『ナルト』




それだけで俺の名前が特別になった気がしたから

もっと沢山言わせれば良かった。無理矢理にでも言わせれば良かった





先生、手紙だけじゃ足りねぇよ



何でこの手紙には血が付いてんだろうなんて考えたくねぇ



何で暗部がこれ持って来たんだろうなんて




なんで、先生は帰って来ないんだろうなぁ



なんで俺に、会いに来ないんだろう



どうしてあの声が聞こえないんだろう




『ナルト』







どうして俺は泣くんだろう







End
2007/02/14
→ほのぼのver.追加
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