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□拍手2
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vsクローム
ガチャリ、とスカルはドン・ボンゴレの執務室の扉を開けた。
否、今回は『出る』という意味で。
結局ツナヨシ(現在ドン・ボンゴレにてスカルの恋人)に、えーもう帰っちゃうの?ヤダヤダあともうちょっとだけ!と泣きつかれ、1時間のタイムロス。
スカルはやれやれと思いながらも、満ち足りた思いに浸っていた。
が、ふと感じた気配に足を止めた。
視線の先に居るのは、確か…
「あぁ…霧の守護者か」
クローム髑髏。
甘く幼い顔立ちに、特徴的な大きな瞳。
これであの骸と対等に付き合いを持っているというのだから、やはり人は見掛けにはよらない。
「貴方が、カルカッサの…」
どうやらメットを外していたので、分からなかったみたいだ。
スカルはツナヨシの部屋へ入るときは、必ずメットをとるように言われている。
「確かに、綺麗な瞳の色…」
はぁ?
といきなりすぎる感想に、スカルが眉間に皺をよせれば、己と少しばかり似た色を放っている瞳の中に怒りの光が混じる。
あれは、憎悪の類だ。
スカルは疑問符を浮かべた。
自分がこの女と2人で会うのは初めてだ。
ましてや、会話すら交したことがない。
一体いつ恨まれることがあったのか。
まぁそれは慣れっこだから別にどうこうという訳ではないのだが。
「貴方には、絶対負けない…!」
そしてそのままトタタタとクロームは去って行った。
いやいやいや。
一体何だというのか。
アルコバレーノのスカルにも、その意図は掴めなかった。
とりあえずスカルは、何事もなかったかのように仕事に戻ろうと足を動かした。
*――――――2日前。
「クロームの瞳の色は、スカルの色と似てるよね!綺麗だなー」
デレデレにとろけたツナにそう言われたクロームが、その時からスカルに敵対心を燃やしはじめたというのは、結局本人しか知るよしがない。
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