□拍手
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vsランボ


久しぶりの逢い引き。
今日は彼を取り巻く死神家庭教師や軍曹は仕事で居ない。
なので心をウキウキさせながら、スカルはボンゴレの屋敷に足を踏み入れた。
もちろんそこは敵なので、玄関から律儀にコンニチハなんてことはない。
いや、したところでクーデター状況に陥り面倒臭いやらツナヨシには怒られるやらで良いことなんてひとつもないのだが。


いつものように、裏ルートを通りようやくドン・ボンゴレの私室の前にたどり着く。
今は丁度オヤツの時間だ。
彼はきっとアホっぽいツラで今日も今日とて菓子に現を抜かしているのだろう。
うん…なんか可愛い。

そんな事を思ってるあたり、スカルも大概アホっぽかった。


「……」


そんな時、微妙な殺気を感じ取った。
いや、本当微妙な。
やる気があるのか無いのか問いたくなるようなそんな殺気だ。
ふと辺りを見渡せば、実に残念な人物が視界に入ってきた。


「死ねっ!スカル!!」


目があったとたんコレだ。
だから格下は嫌になる
とりあえず投げられた手榴弾は全て本人にお返ししておく。
煩くしていると、綱吉に怒られるのがちょっとアレだが、今回スカルに非はないだろう。


「うぅっ…クソっ!!」


ボロボロになりながらもそこまでする根性はさすがだと思う。
雑草魂とやらか。
いずれにしてもスカルは必要性も興味も感じなかったのだが。


「何でボンゴレはこんな奴なんかとっ…!!俺のが全然ロミオっぽいのにっ!!」

「…何がしたいんだお前。とりあえずウザいから死んどけ」


シュトトト!とナイフを5本位スカルはランボ目がけて投げつける。
しかしランボは危ない足取りで全てをよけたのだ。
ムカつく。
スカルは盛大に舌打をした。


「うっ…うぅっ!!ツナぁああああ!!」

「っな…!!」


スカルは意表を疲れた。
何たることか!
ランボは綱吉の私室のドアノブに手をかけたのでスカルは彼の顔を瞬時に蹴り上げた。
何してくれてんだこのクソ牛は。
気安くあの部屋に入ろうとしてくれるんじゃねぇ!


「おい、牛」

「何だっ」

「いいか?綱吉はジュリエットと言うよりラプンツェルのが丁度いい」


例えばラプンツェルを閉じ込めている塔というのがボンゴレで、魔女がリボーン先輩だ。


「大体、アイツは勘違いで死ぬようなヤボじゃないからな」


というか何故死ぬ必要がある。
ロマンチックな妄想に浸るのは構わないが、余りに馬鹿馬鹿しい。
妄想の中でまで悲恋してどうする。
何のメリットもないだろうが。


ランボは唖然とそこで固まった。
綱吉は一体この現実主義者で夢の無い男の何処に惚れ込んだというのか。
まるで真逆の人物。
ランボが知っている綱吉は、もっと夢のある人物だったように思える。


「それに…非現実主義者が集まったところで破滅的なだけだろう」

「う゛っ…」

「じゃ、そういうことで。二度とこんな真似するなよ。次はドタマ狙う」


ニヤリ、
スカルは、してやったりと笑ってドン・ボンゴレ、別名愛しの恋人私室のドアノブに手を掛けた。


勝者スカル。

ランボは悔しそうに息絶えた。

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