生意気な子供達
□とんだ馬鹿野郎
1ページ/1ページ
とんだ馬鹿野郎は
一体どこのどいつだろう。
否、そんなもんは愚問だ。
「コロネロさー」
「何だコラ」
「んん…何でもね」
チチチチ、と雀が朝を知らせに町をはしゃいで飛んでいる。
只今の時刻。
5時25分。
空が灰色から段々白に近くなり水色へと変わっていく。
今日も今日とて夏なのだ。
あと数時間もたてば、きっと水色はバカみたいな群青に様変わりする。
さて、そんなしがない夏休みの1日に問題が1つ。
この、横で寝ている男のことだ。
彼はコロネロという。
金髪青目の王子様みたいな彼。
文武両道、才色兼備な彼。
バカみたいにモテて、だけど口の悪い彼。
そんな彼は正真正銘、俺の従兄弟だ。
なんかよう分からんが親父がそう言ってた。
親父の血筋にはイタリアの血が入っているらしい。
お前その日本人臭い顔してそりゃ詐偽だ。
コロネロと初めて会った時はもちろん目を疑った。
当たり前だ。
いきなりバリバリのイタリー連れてこられた挙句、従兄弟ですので仲良くしてねなんて言われて、すぐさま「うん分かったよ」なんて頷く日本人が何処にいるってんだ。
いや、居るかもしんないけど。
居るかもしんないけど、俺は断じて違うっつー話だ。
でもなんか同じ釜の飯を食うって言うのは成程確に仲を深めるには重要な事だと知った。
なんたって3日目には違和感がなくなってんだから。
誰が一番驚いたって?
もちろん俺だろ。
だけど正直ここまでの仲になるだなんて思ってなかったんだ。
なんつーか…ここって。
属に言う最終地点、って奴だから。
俺が女だったら、問題は血筋っつーだけだったのに。
「あー…お前これからどーすんだよもー」
「あぁ?だから言ってんだろコラ。俺が責任持って引き取ってやるぜ」
「バカ違うっつうの。いいかコロネロ。これは『罪』っつー奴なんだ」
「知るか」
「神様がさぁー、怒ってるよきっと」
「馬鹿野郎。神様なんて現実に存在しねーだろうが」
「じゃあ、他になにがあるんだ世の中」
「あるじゃねぇか」
「何さ」
「俺が、テメーに捧げる愛だコラ」
もー駄目だ。
駄目だコリャ。
あまりの暑さにやられたらしい。
だいたいまだ出会って間もないんだぞ!
そりゃ慣れたっつったって、そーいうのはちゃんと場を踏んでゆっくりと着々と交際してくんじゃないのか?
いや、よー分からんけども。
やっぱアレか。
これほどモテるともなると感覚も特種なのか?
「ツナ、シャワーどうすんだコラ」
「入りたいよ。入りたいけど…立てないんだよ」
うぅっ、
痛いよー。
もう、ほんっとに!
とんだ馬鹿野郎だこいつは!!!
* not tobe contenew *
.