生意気な子供達

□時は春、君達に告ぐ
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春も色濃くなってきたある日のこと。
麗しき大空より、やんちゃにスクスク育っている虹の子達に手紙が届けられました。



やぁ、こんにちは。
皆元気?
君達と出会ってからもう十度目の春を迎えましたね。

さて!
ここでクエスチョン!
春といえば、なんだろか?



こんな冒頭から始まった手紙に、虹の子達は皆眉間に皺を寄せた。
まったく何時だってこの大空は突拍子も無いことを仰せられる。
お前ら非常識だよ!
とよく嘆いているが5人中5人が、いやお前がなー。と心の中で突っ込んでいることを彼は知らない。


さて、春といえば何だ。
とりあえず虹の子達は律儀に考えてみる。




「春?…別に。お昼寝にはイイね。それに桜とこじつけて商品をテキトーに捌いて売ればまぁソコソコ儲かるし。ム。そう考えたら嫌いじゃないよ」


「ほぼ毎日室内に居るからな。俺の仕事は策練ることだから別に外なんかに出なくたってイイんだよ。季節なんて関係ない」


「春のマフィアランド(表)は色んな花々が咲いて綺麗だぜコラ!ファルコも気持よさそうだしな!ただ春にこじつけてダラけたりなんかした日には狙撃しに行ってやるから覚悟しとけコラ!」


「春か。まぁ1番に思いつくのは花粉症だな。俺は完全防備だから関係ないが、オレガノから始まって皆苦しそう(軟弱)だったからとりあえず鍛え直しといたぜ」


「春は恋の季節だな。春のバカみてーな甘さを経て、恋人たちはアヴァンチュールな夏に足を踏み入れるんだぞ」



そうです、そうです。
1人だけ、優秀な生徒(実際は先生)が居ましたね。
ただ君はその年で粋も甘いも経験しすぎなので、この機会に初心に戻ってみたら如何でしょうか。


まぁ、そんなことは置いといて!
君達は、以前俺が【愛について】聞いた時に、こう自信満々に答えてくれましたね。



「愛なんて馬鹿げてるね。所詮愛より金。世の中金が全てさ」


「愛?そんなもの、取るに足らないな。人間というのは馬鹿な生き物だ。あんなまやかしに囚われるなど考えられない。だが利用価値はなくもないな。これを使ってひとかきすれば、見事に崩れ落ちて行くからな」


「愛だぁ?ンなもん適当な女に媚売っとけばテメーでも貰えんじゃねぇかコラ。そこんとこは俺の範囲じゃねぇ。テメーで考えるか、あのインチキカテキョーにでも聞いてこいよ」


「愛か。フン、知るかそんなもの。ただ言える事が一つだけあるな。その愛とやらは、とてつもなく邪魔だ」


「何だツナ、愛が欲しいのか?だったら遠慮せずに言え。俺が嫌ってほど注いでやるぞ。ま、嫌なんて言わせねぇがな。言った日にはダメなテメーの頭でも…分かるよな?」





皆、一体愛を何だと思ってるんですか。



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