生意気な子供達

□Product of miracle
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スカルは思った。



これは何て酷たらしい、奇跡の産物なのかと。






例えると、町外れの薄暗い森、幽霊の住む屋敷を越えて、ピューピューヒルを登った先の、マグマ溢れる城塞の奥。
寂れた塔と、地味な花々。ドラゴンが居る城の、西の塔。
そこに閉じ込められた可哀想な姫君は、ドン・ボンゴレそのものだ。


大抵こういった哀れな姫君には、大層格好良い王子がいる。
そしてその王子は確実に一人でなければいけないのだ。
でなければ話が進まない。

元々王子は傲慢で、気高い生き物である。
なので多数居たら当然互いの足を引っ張り合い、自滅に進む。


一方の姫君は、るんたったーるんたったーと王子の登場を心待ちにして、花の冠なんかを作っていたり、動物なんぞと歌ったり踊ったり果てにはお喋りしたりと奇怪な行動を繰り広げたりしているのだが、このドン・ボンゴレには生まれつき可愛気というものがないので、残念ながら王子を待つなんて浮かれた行為に身を染めるなんてことはしなかった。




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