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□やきもち
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「レーンっ」


「なんだよ、リン」


私、リンちゃんに嫌われてるのかなぁ?


レンくんは恋人。


リンちゃんは可愛い可愛いレンくんの双子の片割れ。


私とレンくんが2人でいると後ろからいつもレンくんを取っていっちゃう。


だけど私はリンちゃんからレンくんを取り上げてしまったのだから仕方ない。



でも、寂しいな。


レンくんは私よりやっぱりリンちゃんが大事なのかな。


「ミク」


「…っクオくん!」


不安に押し潰されそうになった時だった、聞きなれた優しい声がしてそのまま胸に飛び込んだ。


「…大丈夫」


「…クオくんっクオくんっ」


クオくんは優しく頭を撫でながら私をしっかり抱き締める。


なんか私の方がレンくんよりおねーさんなのに…余裕ないなぁ。



「だーめ」


ひょい、と。


耳をくすぐられるような甘い声で耳元で囁かれたと思ったら私はレンくんの胸のなかにいた。


「…え、れ、レンく…」


「ミク姉…ミクのバカ」


「え?」


「クオ兄には頼れて俺には頼れない?」


「ち、ちが…」


「ミク姉」


訳もわからず一人で混乱する私の前に、リンちゃんが立っていた。


「ごめんね、ミク姉。ちょっといじりすぎちゃったかな?」


「ったく、だから言っただろ?リン。ミクはそういう冗談真に受けて真に受けちゃうタイプだから」


「え?え?」


苦笑いを浮かべながら両手を合わせるリンちゃんとレンくんを交互にみる。


クオくんはクスクス笑ってる。


「こいつ、ミク姉に嫉妬させてもっとラブラブ大作戦ってずっと言ってて」


「ごめんね、ミク姉」


なんだ。


リンちゃんに嫌われてる訳でもなくて、なんだ…。







「大好きっ…」


レンくんに抱き付くとクオくんが真顔で金属バットをレンくんに振り落とそうとしていたのを、リンちゃんが必死で止めてた。

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