Short
□SH3KY
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※テミン携帯と微妙にリンクしてます
「あの子ったら、また....、」
額に手を当ててため息を吐く僕の持ち主様。視線はたった今、慌てて走り去ったチングの背中。
「今回で何回目だっけ?」
「んーと....、記念すべき二桁目かな。」
「..........哀れ、テミナ。」
まぁ、確かに。
毎度毎度忘れられるのもね....、
きっと今ごろ、壁に向かって枕でも投げつけてるんだろう。涙目のテミンがすぐ頭に浮かんだ。
「しょうがないね...、待ってる間にレポートやっちゃうか。」
「待つの?」
「きっとテミンに連れてこられるよ。」
「あー、そうかもね。」
ばさり、
テーブルの上へ英字の紙束
「あ、辞書使うからヨロシク。」
「Okay!」
それじゃ!
僕もこの間に自己紹介でもしようかな。
"SH3KY"
それが僕のメーカー名
外のカバーの着せ替えはなんと20種類以上。組み合わせ次第では個性がもっと広がるオシャレ携帯!
また、内蔵されてる待ち受けや壁紙なんかもSHシリーズの中で一番多い。外身だけじゃなくて中身もバラエティに富んでるってわけ。
さらにさらに、
「キー、この単語なに?」
「あー、これはね....、」
さっきチラッと出たけど、
英語系の辞書アプリがいくつかすでに最初から入ってるから、僕は英語に強いグローバル携帯。
電子辞書いらずなのさ!
他にもいろいろ機能が備わってるけど、ここで説明したらキリがないから、割愛させてもらおうかな。
「おおっ!さすが万能キーくん!」
「へへん!なんでも聞いて聞いて〜!」
そんな具合に多方面でデキる僕。
ついたアダ名は、"万能鍵"!
「んー、じゃあさ....、」
「なになに?」
「私もキーを家に忘れたら取りに帰ってほしい?」
「え、」
「私、結構めんどくさがりだからさ。ショッピングぐらいじゃ....どーなのかな、って思って。」
え、えぇと....、
さすがの万能鍵でもこの質問は予想してなかったな....、じぃっと見つめられて答えに詰まる。
ほら、だってさぁ...、
携帯って要は人の生活を便利にするためのものじゃん。それをそこまでして....この場合、ショッピングの邪魔してまで取りに帰って欲しくなるか、っていうと、違う気もするし。
...........まぁ、でも、
「嬉しい...かな、」
「ん?」
「そっちのが、愛されてる感じがして。」
毎回おいてけぼりはイヤだけど、
きっとテミンはあの持ち主さんが帰って来たときに、それを目一杯感じることができるんだろう。
「そっか。」
「うん。」
「キー。」
「....ん?」
「私は忘れたことないけど、当分は機種変しないから安心して?」
「...ふふ、わかってるよ。」
僕のこと愛してくれてるもんね。
わかりにくいけど、僕にはちゃんと届いてるよ。なんてったって、僕は万能ですから。
だから、君も安心して?
"SH3KY"
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第4段はKey携帯。
使いやすそうな万能携帯。
オシャレキボム感を出したかったんですが、出てましたかね...?←
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