☆ 妖狐×僕SS
□嫉妬
1ページ/2ページ
風邪をひいた。
ここずっと、熱が出るまでの風邪は今までなかったので、なんだかある意味...
なんというか、新鮮(?)だ。
昨日から微熱が続いており、今日のお昼頃から急に38度後半をマークしたので、今は頭がぼーっとしている。
普段低体温ぎみなあたしにとってはかなり苦しい状態だ。
そんな中、あたしの癒やしになっているのが...
『渡狸〜...。』
ベッドの中であたしの腕にすっぽり入っている狸の渡狸だ。
「花様、それでは熱が上がってしまいます。」
「お、おい!その前に俺の心配をしろ!」
あたしはジタバタする渡狸を無理矢理腕の中に押し込んだ。
そんな様子を気にしてか、不意に双熾くんがあたしの腕から渡狸を取り...
地上4階の窓から、それを落とした。
『...えっ!?ちょっと双熾くん!?今何やって...』
「あぁ、少し暑そうでしたので。」
『もっと他のやり方が...。』
「花様を思っての事です。」
あたしは渡狸が気になって、窓を覗こうとしたが、双熾くんに身体をベッドへと戻されてしまった。
「いけません。外は冷たい風が吹いていますから。」
『今の双熾くんはいつもに増して笑顔だ...』