☆ 妖狐×僕SS
□素直
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「ふぅ。」
「おー、珍しいねー、溜め息なんて。」
「えぇ、今日は色々と考え事が尽きません。」
「そっかー。ま、若いうちに沢山悩めよ。」
「はい。」
僕は厨房での用事を終え、ココアを手に花様の部屋を目指す。
そうだ。
あれは僕から仕掛けたこと。
素直になれないのは、むしろ僕の方です。
いえ、僕は素直になってはいけない。
素直になどなってしまえば、僕は花様の全てを奪い、僕までもがきっとおかしくなってしまう。
僕たちはあくまで`主従`の関係ですから。
だからこれからも、あなたの想いをまるで知らないように...。
僕は生きていく。
end.