☆ 妖狐×僕SS

□2人きりのお花見
2ページ/4ページ





あたしは頬杖をついてマンションから見える景色を見渡した。
そこからは大きなビルも目に入ることなく、ただただ真っ青な空を桜の花びらが飾る。


こんな日には…
そうだ、アレしかない。


『双熾くん。お花見しよう!』
「お花見…ですか?」
『うん!今からみんなを呼んでさ!お弁当作って、お花見しよう!』
「…いえ、2人でやりましょう!」
『え!?』
「何故なら…」
『(ゴクッ。)』
「みなさまは既に郊外のお花見に行かれているようですから。」
『……え。』
「おや、聞いていませんでしたか?もう朝早くに準備をして行かれたようですよ。
花様はいつも通りの10時起きでしたので、てっきりお花見に行かれるのを断っていたと思ったのですが…。」


……野ばらさんめ…!
やられた!
...まぁ、でもこれもある意味双熾くんと一緒にいられるチャンス?
ん?こんなチャンスいるのか?
というか、どうして今若干ドキドキ?


『...じゃあ、このまま散っていく桜を見ているだけもつまらないから、弁当作るか。』
「はい!そう仰ると思い、すでに材料は僕の方で用意させて頂きました!」
『いや、準備良すぎじゃない?』




in 厨房


花見に行ったマスターの住みかに材料を並べ、容量よく双熾くんと分担をする。


「花様と一緒にここに立てるなんて、なんだか申し訳のないくらいの思いです。」
『今日くらいいいじゃん!あたしもここ最近自分で料理してないから、たまにはやらせてよ♪』
「はい。」


そうして間もなく、2人のお弁当作りが始まった。











次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ