☆ 妖狐×僕SS

□携帯
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携帯を、買い替えた。


1人で手続きをやりきる自信は到底なかったし、他人の意見も聞けたら。と思い、やっぱり双熾くんに同行してもらった。
なにせ交通費がかからないし!
...なんてことはさておき。


「やはり、花様は携帯を持っていらしたのですね...。」
『うん。...で、どうしてそんな顔を?』
「喜しいです!」
『わっ。』


用事を済ませ、どこかでお茶をしようと店を探している時のことだった。
双熾くんはきらきらと目を潤して街中にいるにも関わらず、あたしの両手を取った。
またこの件か...。
あたしの荷物を双熾くんが手いっぱいに持っていたとして、こういうリアクションを取りたい時はどうするんだろう。
その時感じた純粋な疑問だった。


「僕達が出会った時、花様が携帯を持っていないのにも関わらず連絡先を伺ったら大変失礼だと思い、ずっと心にしまっていたのですが...。」
『そんなこと気にしてたんだ...。』
「はい。しかしこれでやっと胸がすっきり致しました!
僕は今後、花様をもっと身近に感じられると思うと、今にも嬉しさで心がはじけそうなのです!」
『身近に?』
「はい!」


双熾くんは変わらずに尻尾を嬉しそうに振っている。


『...じゃあとりあえず、お店見つけられたらそこでアドレス教えるから。』
「はい!」





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