東方宿泊録

□壱の間
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竹林の近くに建っている建物

旅館『座敷』

そこには毎日色々な人や妖怪、精霊や鬼が遊びに来たり、宿泊していたりした

そして、その旅館の一番奥の部屋

通称『童子部屋』
そこには、一人の少女が眠っていた

「スゥスゥ」

ぐっすりである

彼女は宿住 敷呪
座敷童子である彼女はこの旅館の若女将だ

身長はとある妖怪の山にある神社にいる蛙並みに小さいが中身は立派な大人である

そんな彼女に待ち受ける朝のお決まり

「「主様ーー!」」

「ごふぅ!」

突如、襖が開いたかと思うと二人の少女が突っ込んできた

彼女の式神兼旅館従業員である憑喪神の刀子と槌子である

「主様おはよう!スッゴクいい朝だよ!」

と元気いっぱいに言うのが刀子

「おはようございます主様。清々しい朝ですね」

と笑顔で言うのが槌子である

そんな二人の主は

「キュ〜〜〜(@_@)」
目を回していた

「あれ?主様ー、朝ですよ〜」

「ちょっ!退きなさい刀子!主様が目を回してるではないですか!」

「だったら槌子が退きなよ!刀子が看病する!」

「何を仰いますの!主様のお世話は私(わたくし)槌子の仕事です!」

「刀子なの!」
「私です!」
「刀子!」
「私!」
「刀子!」
「私!」
と延々と言い合う二人

そんな言い合いの中から一つの声が聞こえた
「……さい」

二人の下から

「「あ、主様!おはよう(ございます)!」」
挨拶をする二人


だが


「うるさーーーーい!!」

ドガシャアアアアン!

声をあげたとたん二人が部屋から吹っ飛んでいく

「全く!何度言えば解るんですか!私は一人で起きられます!いつもいつもこの様では女将である私の体が持ちません!」
廊下に重なって倒れている二人に言う敷呪

が、その二人は
「「キュ〜〜(@_@)」」

と目を回していた

「ハァ……今度仕置きとして二人の本体は蔵の中に1週間入れますからね」

「は〜い(@_@)」

これが旅館の日常
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