東方儚奏仙
□第三章 仙人にとって……〜The sorrowful memorys〜
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憂香の父親は偉大な仙人だった。
妖術を自在に操り、人間が困っていればどんなときだろうとそこに駆けつけ、また、修行も他の仙人よりも多くやっていた。
名を、死媚鳳仙、という。
その仙人はあるとき、運命的な出会いをした。
それが、憂香の母親、死媚霊香だった。
母親は里では名の知れた占い師で、その日鳳仙は占いを受けた。
そこからだろうか、二人が頻繁に会うようになったのは。
直ぐに恋に落ちたというのは、誰にでも分かった。それほど仲が良かったのだという。
里では鳳仙を快く受け入れ、式が挙げられた。後に、母の霊香は子を身ごもる。
その子が、後の死媚憂香だ。