Awkward love 〜不器用な恋〜
□第3話
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12月――――…
北風に聖夜の気配も色づく頃
ホスト部の藤岡ハルヒと織本玲は走っていた。
ハ「玲!ほら、早くしないと先輩に何されるか・・・」
『え〜…何されても俺が追い返すよ』
ハ「(本当にしそう;)」
つい図書室に長居しすぎて部活に遅れてしまいそうなのである。
南校舎の最上階
北側廊下のつきあたり
ハ「(まぁ、言動とかだいぶ慣れてきたしそう簡単に驚くようなことも・・・)」
《ガチャ…》
第三音楽室の扉を開けると
そこは南国でした
「「「「「「いらっしゃいませ」」」」」」
ハ「・・・・・・」
『・・・・・・』
あまりのことに項垂れるハルヒ。
玲に至ってはただ突っ立っている。
光「なんだハルヒと玲か、遅いぞ」
馨「お客と思ってポジショニングしちゃったよ」
ハ「暦によると確か今は」
『12月中旬だな』
環「ふふん!!冷気を恐れコタツに縮こまるなどナンセンス!!この完璧な空調設備は何の為だ?」
『寒さをしのぐためだろう』
もっともな意見を述べる玲。
環「良い男は着膨れなどして美しい肢体を隠してはならない!!冬こそ凍える子猫達を暖かな・・・」
『うるさいんだけど』
環「う゛っま、まぁ、まさに紳士の振る舞いだろう・・・?」
ハ「・・・そうですか?むしろあらゆる意味でサムいですが。」
ハルヒの肩に手を置きキラキラとオーラを飛ばす環を一刀両断するハルヒと玲。
環「そして12月といえば我々が最も輝く大イベントが待っている!!」
『何言ってんだよナルシが』
環「もう玲うるさーーーい!お父さんは今ハルヒと話してるの!」
ハ「誰がお父さんですか」
環「とにかく!お父さんの話はちゃんと聞く!なんとその大イベントとは『クリスマスでしょ?』・・・」
玲によって遮られ、とうとう環は部屋の隅で落ち込んだ。
それを見ていた光と馨は玲にグッドサインを送っていた。
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