短編集

□勘違いラヴァー
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 思いもよらぬ事実に行き当たってしまい、俺は軽い錯乱状態になる。
 したら、そんな俺を、神谷がギュッと抱きしめてくれた。

「誤解をすぐに解かなかったのは、お前と接点が持てると思ったからだ。打算的だった。それは謝る」

「えっ……いや……」

 謝られてもどうしたもんか。とにかく心臓がうるさい。ドキドキ、キュンキュン、みたいな?

「あっ!」

「んだよ?」

 突然声を上げた俺に、神谷は少し顔を赤らめて訝しげな眼差しを送ってくる。
 そんなことより、俺も………………………………………神谷が好きっぽいんだけど……。
 ずっと目が合うたびに睨まれて、傷ついて、それても目が離せなくて。きっと、憧れてたんだ。
 まどかと別れさせたいと思ったのも、もしかしたら……。

「あ、あの……俺も神谷を好きだって言ったらどうする?」

「………」

「ぅわっ! んっ……」

 急に固まったと思いきや、神谷がいきなり覆い被さってきて、俺の口をふさいだ。
 こ、これって……まさかのキス!? うっそぉ〜! ファーストキスだよ……って、んんっ!

「……んぁっ」

 チュパッて唇を離されて、俺の口から甘い声が漏れた。
 なんかハズい……しかも、神谷の顔エロっ!
 
「……んっ、あっ」

 ビックリしてる間に胸をチュ〜ッと吸われて、俺はのけぞった。
 そんなトコ触られるの初めてだから、変な感じがする。てか、くすぐったいし。

「ちっちぇおっぱい……可愛い」

「あんっ……!」

 ずっとそうされてるうちに乳首がツンと立ってきて、ゾクンと体の芯が痺れるような快感に襲われる。
 それに気をよくしたのか、どんなに身をよじっても神谷は離れてくれないどころか、かなりしつこくそこを弄ってきた。

「はぁ……んん……」

 頭ぼーっとしてきた。
 神谷が先端を舌でつついたり転がしたりしてくると、下半身がムズムズと落ち着かなくなってくる。

「あぁ……っ!」

 そしてカリッと軽く噛まれて、下半身でヤツが頭をもたげるのがわかった。

「感度いいのな。もう勃起したんだ?」

「うぅ……」

 否定はしませんよ……事実ですからね。はい。

「見てもいいか?」

「あっ!」

 ってー、聞きながらズボンを下ろすな! ズボンどころかパンツも一緒に下ろされちゃったよ。

「これは……っ!」

 神谷はカッと悟りを開いた仙人のように目を見開いて、一点をすごい勢いで凝視してきた。
 あれ? しかもなんで真顔?
 神谷が俺の下半身を見つめて微動だにしない。
 俺もその視線の先を追うと、俺のが元気よくこんちはーって、俺もこんちはー。
 じゃなくて、かなり恥ずかしいんだけど……。

「やっ……お願い! もう見ないでっ!」

 恥ずかしいと思ってたら、もっと恥ずかしくなってきて、また目頭が熱くなってくる。
 したらそれに気づいた神谷に、目元にチュッとキスされた。……別な意味で恥ずかしい。でもちょっと嬉しい。

「泣くなよ。お前の泣き顔見ると、メチャクチャにしてやりたくなる」

「………」

 んっ? あれ? さらりと問題発言?
 ギャー! この人サディストだよー! 誰か助けてー!
 逃げようにも、身体をガッチリ抱きしめられてては無理だ。

「お前の全然使ってないよな。すっげーヤバい」

 こっちのほうがヤバいって。
 てか、朝勃ち以外でこうなったの久しぶり。俺お子ちゃまだから、オナニーもろくにしないし。

「初物頂くのが男のロマンってか?」

 そんなの聞かれても困るんですけど……てか、ロマンと違うと思う。

「大丈夫。傷つけないように優しくするから」

「……うん」

 頷いたものの、まだ不安は拭いきれない。
 
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