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□KILLER EYES
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銃を構えて標的に狙いを定めた、その刹那。
身を呈して対象を庇った、その刹那。
銃口から飛び出した銃弾が、渦を巻いて放たれた――
すべてが無の、ゼロの空間。
時は停止し、感覚が消えていく。
その刹那……目が、合った。
ドクドクと胸の鼓動が時間の経過を教えているのに、二人の間にだけ、別の次元の空間が存在するかのように。
静寂が、逆に二人にはうるさいほどに。
まるでそれは、運命を知らせる鐘が鳴り響いているかのように。
お互いの眼差しで、お互いの心を撃ち抜いた、それは刹那の出来事だった――。