Do you〜?

3話
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 どうせいまさら否定したところで、気づかれてるんならどうすることもできない。



 諸事情ってやつは、いくら興味津々な顔されたって言うつもりないけどな。




「よく見ると肌つるつるだし、睫毛もなっが。眼鏡の度は一応入ってんだね」




 黙秘。




「ちょっとだけほっぺ触っていい?」




 嫌に決まって――




「こらウメちゃん! あんまり困らせたらダメだろ!」




 正義の味方よろしく登場したのは、五位の筒井秀時だ。



 ウメちゃんて、ほんとにそう呼ばれてるのか。



 どうでもいいけど。



 でも助けられたし一応は感謝しないとな。




「ちなみにコレとは幼なじみなの。ついでだから仲良くしてやって」




「コレってなんだよ」




 だからどうでもいいって。



 仲良くなんてしたくないんだよ。



 困るんだよ。



 こんな人気者みたいのが近くにいたら、オレまで注目されちゃうじゃないか。




「あっ、こいつヒデトキって名前だから、トッキーでいいよ」




 ネーミングセンスなさすぎだろ。




「トッキーなんてだれも呼ばないし。あ、でも好きに呼んでいいからな」




 ほらな。



 トッキー……じゃなくて、筒井は近くで見ると思った以上に背が高かった。




(あいつより高いか?)
 



 そういやあ、ゴールキーパーとか言ってたもんな。



 それより、なんでオレはいちいちあんなやつのことなんて考えてるんだろうか。




(まさか……)




 目からなんか電磁波的なものを出されて、脳が汚染されでもしたのか?




「結城乃亜くん、だったよな? ウメちゃんが迷惑かけるようなら俺に言えよ?」




 オレが恐ろしい妄想に囚われていると、筒井が心配そうに顔を覗き込んできた。




「ほっとくといつも暴走するから」



「いや、いい。大丈夫」




 逆にほっといてもらったほうが助かる。




「本当に? 遠慮しなくていいから……」




(なんだ?)




 じっと直視されて、居心地の悪い気分を味わわされる。



 不躾なことをするようなやつには見えないんだけど。




「あっ、ごめん」




 身じろぐオレに気づいて、筒井は動揺したように離れていった。



 いったいなんだったんだろうか。



 オレの態度が気に障ったって感じでもなかったんだけどな。



 まあ、どうでもいいけど。




「なんかこれから楽しくなりそうだねー。ねえ、ノッチ」




 なんねーよ! てか、ノッチって呼ぶな!











To be continued...next
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