捧ゲ物
□月光
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戦いが終わって一つの安息が訪れたものの、銀時の体はまだ思うように動かなかった。
自分の両サイドには規則正しく肩を揺らして眠る新八と神楽。
何気なく溜め息をついたとき、朧との戦いを思い出す。
将軍・定々と朧を前にして怒りが込み上げて来たあの時。
体中の経穴を毒針でつかれ動けなくなったあの時。
あの忌まわしく悲しい過去が脳裏に浮かぶ。
自分にとって一番厭な場面ばかりが脳裏に浮かび続け、悔しさで一杯だった。
今はもう大丈夫。
もう一度あの過去をやり直したい。
もう一度、チャンスが欲しい。
もう一度、やり直す時間が欲しい。
そんな思いを抱いて、あの過去の詳細を思い出す。
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