短編
□蒼いトマト
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僕等の軌跡は、
『絆』を深めてきた証。
今まで、沢山の『絆』を深めてきた。
けれど。
何かが足りない。
足りないんです。
彼方は気に留めないかもしれない。
だけど僕は、その事を無視することは出来ない。
そして、判ったことがあるんです。
それは、
今まで自分が願い、欲していたもの。
唯逸れだけ。
彼方もかつては願い、欲していた事でしょう。
それを手にする事で、どれだけの感情が得られる事か。
誰もが想う筈の事。
『絆』でも、
『情』でもなく。
今は到底手の届かない所にある。
こんなにも分からないのは、僕がまだ未熟だからなのだろうか。
この足りないものが分かるのは、
僕がこれからの道を辿り、歩み、
何時か自分が熟した時だろう。
『彼方を護れる程の力が欲しい』
と....。
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