捧ゲ物

□開戦時刻は、午前二時。
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嗚呼。
何か蒙何もかもが面倒だ。
よくよく考えれば、自分は自分達から先生を奪ったこの世界をのうのうと生きている訳だ。
先生が愛したこの世界を、自分も愛して生きてみようと思った。
けど、限界だ。
喩え先生が過去に愛していたとしても、先生を奪った事に変わりは無い。

添う思う度、先生の死を踏み台にして平和ボケしている奴等を見ていると、憎くなって来た。
どうしてしまうか。




嗚呼。
いっその事壊してしまおう。


平和ボケしてのうのうと生きている奴等に、
絶望という名の苦痛を浴びさせてやろう。




何だかくつくつと笑えてきてしまう。
立て直そうか、この侍の国とやらを。

添うヅラに云った。


「貴様、本気か?」

「俺ぁ何時だって本気だよ」

「お前が添う云ってくれるのは嬉しい。だがな、銀時。お前が行おうとしているのは、新八くんやリーダー。そのほか、お前を慕う皆を裏切る事になるんだぞ」

「蒙いいんだよ。別にアイツ等を全否定摺る訳じゃ無いけど、正直お前と居た方が楽だし。俺の居場所は結局此処なんだよ」

「...後悔は」

「してねぇ」


銀時の言葉に、桂は瞼を閉じる。


「こうなるとは思っていた。高杉には噺を蒙通してある。我々は準備をしよう。戦のな」

「俺達三人だけで国を相手にするのか?」

「馬鹿云え。エリザベス達と鬼兵隊も忘れるな。逸れに、相手に摺るのは国だが、根本を敲けば天人を相手に摺るだけだ。俺達が決起したとしても、天人が出てくるだけ。国が出すのは真選組や見廻組、其の他警察機構全軍だろう。相手になどならん。天導衆を潰せば国は動かなくなるだろうよ」

「楢、警察機構や天人は鬼兵隊や其の他の攘夷志士共に任せて、俺達三人は直接天導衆の元に行くのかよ」

「添ういうことだ」


桂の説明を耳に摺ると、銀時はまるで何かを楽しんでいるかのように口角を上げた。


「楽しみにしてるわ」


そして、幕が上がった。






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