D.Gray-man
□声でわかるんだ(ラビユウ)
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ちょうど8月10日を迎えた深夜0時。
うとうとしながら学校の課題をしていた俺は携帯の音で現実に引き戻された。
ディスプレイを見れば見慣れたニ文字。
「ラビ……」
携帯を開けば着信ではなくメールだとわかった。
メールを開こうとボタンを押そうとしたら今度は着信中という文字が表記されていた。
名前は同じラビ。
「チッ…」
舌打ちをしながら通話ボタンを押した。
『ハッピーバースデー!!!俺』
携帯の向こうからラビのウザったいテンションが伝わってきた。
「なんだよ。そのウゼーテンションは」
『酷ぇさ!!だって今日は俺の誕生日さ!!!だからハッピーバースデー俺ッ』
何とも痛々しい相手に言葉を失くした。
バカだ、コイツ。
『もしもーし?ユウ聞いてるさ?』
「あぁ聞いてる。お前のバカな言葉をな」
『こうでもしないと誕生日だって気付いてくれないっしょ?』
ちゃんと覚えてた?
なんて軽く疑うような口調に腹が立った。
「バカにしてんのかッ」
思わず机を叩いてしまった。
その音で冷静になりよく考えるとまんまとラビに嵌められたことがわかった。
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