物語
□恋の病
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その日、Lは教室の窓の外をいつも以上に眺めていた。
すると、そんなLの近くに誰かがよってきた。
「どうしたんだい、L?ぼーっとして」
「・・・うわっ、月くん」
「お前今、うわっつったよな?何のうわだ、なんの」
「細かいことは気にしないで下さい。うっとおしい」
「これが学パロじゃなかったら、確実にノートに書き込んでたぞ」
そんなこんなでLはまた窓に顔を向ける。
そして、幾度となくため息の連続。
見かねた月が再び口を開いた。
「何だL。好きな女性でもいるのか?」
その言葉にLは思わず月に振り向く。
「図星、か。」
月はニヤリと歩くそ笑む。
「・・・わかりません」
しかし、Lは冷静にそう答えた。
「でも、その人が気になってしょうがないんだろう?」
「・・・はい」
「その人の名前は?」
「知らないです。でもS校の制服だったので高校生なのは確かです」
「なるほど。女子校か・・・容姿は?」
「黒髪で、そうですね。ミサさんと同じ髪型で、腰辺りまでの長さはありました。あと目も多少大きく、大人しそうな雰囲気でした」
「その人とはいつ、何処であったんだい?」
「今朝、大きな噴水がある近くで会ったと言うか、助けられたというか」
「助けられた?」
「はい。足が絡まり、つんのめって、転んで、少し怪我をした所をこのハンカチで処置してくださいました」
Lは桜色の無地のハンカチが巻かれた腕を月に見せた。