駄文(短)

□悪戯をすると…。
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我が家には時々、悪戯好きの猫が遊びに来る。晩ごはんを食べにフラりと来ては、時々泊まっていくこともある。俺の寝床にまで入ってくるが、抱き心地が調度よく、とくに冬場は温かくて非常に助かっている。

好奇心は旺盛で、俺の部屋に置いてあるものはいじくり倒す。エ◯本やDVDは要注意だ。見つかると破かれたり割られたりする。当然俺も怒る訳だが、怒りすぎると相手の機嫌を損ねて厄介だ。

この前も俺が夜着に着替え、脱いだ死覇装の袴を畳んでいると、せっかくきっちりと前紐と後紐を組んで畳んだと思ったら、するすると紐がほどけていく。見ると、猫が畳んだばかりの紐の端を、にぃっと笑いながら引っ張っている。一から畳み直しだ。もう一度最初から…。またやられた。三回目。今度やったらただではおかない。

またやられた。今度は俺が猫の穿いている袴の紐をほどいた。

〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜

「ひ、檜佐木っ! ちょっと悪戯しただけではないかっ。あ、あぅ…。」

「仏の顔も三度までです。」

「や、やめぬかっ! そこは…。…ふぇっ、あ、あん。」

「ふ〜ん。良い声で啼きますねぇ。」

「や、やめぬかっ!…すまぬ。許せっ。あぅ、や、やめ…」
「止めません。」

こうして俺は、悪戯好きな猫に、一晩中お仕置きをした。

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