駄文(短)

□誕生日(修兵)2013ver.A
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もうすぐ俺の誕生日がやってくる。砕蜂隊長には「こちらでの誕生日など、そんなに嬉しいか?」と言われたこともあったが、それでも、それに託(かこつ)けて、吉良や恋次と呑みに行ったり遊びに行ったりと、それなりに楽しく過ごしてきた。

だが、砕蜂隊長と出会ってからは、勿論、吉良たちと呑むのも楽しいのだが、別の楽しみも加わった。

「あの…。8月14日なんですが、ご予定は…」
「仕事だ。」

予想通り、そっけない返事が即行返ってくるのだが、その後、

「べ、別に、夜なら空いているから、その、檜佐木の家に行ってやらんでもないが、期待するなよ?」

……。誰も俺の誕生日だから、なんて言ってないのに、何を期待するんだ?

昨年は、本当に現世任務でこちら(尸魂界)にはいなかった。いなかったはずが、わざわざ仕事を素早く切り上げて(大前田さんに押し付けて)、帰ってきてくれた。一見ひねくれているようだが、案外分かりやすい、そんな砕蜂隊長が、俺は好きだ。冷徹そうに見えて実は可愛い女性(ひと)なのだ。
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