駄文(短)

□誕生日(修兵)2013ver.@
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今月は檜佐木の誕生日がある。いつも世話になっているし、何か贈り物でもするか…。しかし、奴の趣味はよく分からない。現世のものを好んでいるのは、部屋に置いてある雑誌から分かるが、あまりにも色々なものが溢れていて分からん。いっそ、本人に訊くか? しかしそれも野暮だ。まあ、食事でも奢るか。そんなことを考えて歩いていると、檜佐木が女性隊士と一緒にいるところを見かけた。あれは、九番隊の…?

最近、そのおなごは、檜佐木と一緒にいるのをよく見かける。どうやら檜佐木に気があるらしい(大前田調べ)。聞くともなく、会話が聞こえてきてしまった。

「檜佐木副隊長、8月14日は、お誕生日ですよね。その日、何かご予定は…?」

「あっ、いや、その日は…。」

その日は、まだ私が檜佐木にはっきりと約束を取り付けていなかった。

「じゃあ、空けておいてくださいね。」

「いや、あのな…。」

(檜佐木、煮えきらぬ態度を取るなっ!)

そう叫びたかったが、当の檜佐木は、

「約束があるような、無いような、空けておきたいような…」

「なんだ、空いているんじゃないですか。じゃあ、『九番亭』で7時に待ってま〜す。」

そう一方的に宣言して、その場を去っていった。


(む…。先手を打たれた…?)

何か自分の中でもやもやした感情が燻っているのが自分でも分かる。ただ、そのもやもやの正体が分からぬまま、隊舎に戻り、盛大に大前田に八つ当たりする砕蜂だった。
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