異世界C

□浦原商店とのお別れ
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翌朝、雨(うるる)の朝食の支度を手伝おうと起きていくと、テッサイさんが台所で、すでにほとんどの支度を終えていた。……焼き魚や卵焼きの準備もしてあり、品数も多い。

「おお、昨日お伝えしておけばよかったですな。今日からは我輩が致しますゆえ、今朝くらいはゆっくりなさればよかったものを」
「いえ、このくらいは……」
「では、朝食の前に、勉強道具以外の荷物をご自宅に置きに帰られてはいかがですかな? なに、ここはもう我輩だけで十分ゆえ」
「でも、それでは……」
「お気になさるな。ささ。朝の早い時間のほうが人目につかずよろしかろう」

……なるほど。

「では、お言葉に甘えさせていただこう」

そう言って、砕蜂が荷物を取りに2階に戻ったので、俺もそうさせてもらうことにした。

浦原商店を出ると、まだ薄暗く人通りもない。とりあえず砕蜂と途中まで歩いた。やはり、「何か」は見える見える。電柱の陰や屋根の上、道端に蹲っていたり。でも、だんだんと慣れてきている自分がいる。

しかし。こんな時間に知り合いに会ったら、朝帰りとか思われないだろうか? そう思った矢先、

「お前ら2人揃って、こんな朝早くにどうした?」

……斑目だった。物騒なことに、例の「斬魄刀もどき」を持っている。虚(ホロウ)退治の帰りだろうか?

「おう。やっと自宅に戻れるから、先に大きい荷物を家に置きに帰るんだ」
「ああ、結界がどうの、とか言ってたな」

そこでまた、俺を少し離れたところまで引っ張っていくと、

(なあ、本っ当に、なんもなかったのか?)

と訊いてきた。……しつこい。確かに「なんか」はあったのだが、言えるかっ!
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